Wednesday, April 18, 2007

Sudan flying arms to Darfur, UN panel reports

Sudan Flying Arms to Darfur, Panel Reports (New York Times)

昨日国連平和維持軍の展開をしぶしぶ認めたスーダン政府。
しかしその実態は・・・

NYTがすっぱ抜いた。

17日明らかになった国連の内部暫定文書によると、スーダン政府が国連安保理決議に反し、武器をDarfurへ空輸(しかもUNやAUの飛行機に偽装して!)しているらしいのだ。しかもその目的は武器輸送だけにとどまらず空中査察、さらになんと村への爆撃(!!)にも使用されているという。

レポートの内容が事実だとしたら、今後展開されるAU/UNのMissionは非常に危険性の高いものになるだろう。これがまだ内部文書である以上何も言えないが、せっかく第一歩を歩み始めた国連にとって与えているインパクトは相当大きいことは間違いない。

このレポートは、奇しくもスーダン政府が国連平和維持軍の受け入れを表明した翌日に明らかとなった。レポートの調査期間はごく最近で、昨年の9月から今年の3月までだった。

私は、スーダン政府のこの偽装がかなり戦略的に行われてきたのではないかと感じる。
もしスーダン政府がすでに昨年の9月の段階で、国際的圧力に耐えることは不可能で国連軍の受け入れが不可避であるということを認識していたとすれば、理に適っているからだ。
国連の査察団の受け入れを頑なに拒否し続けてきたのは、この戦略が国際社会に明らかになるのを防ぐためと考えることができるし、いずれ来るであろう制裁、国連軍の受け入れまでの時間を稼いで、その間にUN/AUの名の下に破壊活動を行って住民への悪印象を植え付け、その後の国連活動を非常にやりづらくするため、と考えることもできる。
つまりUN/AUを、スーダン政府/Janjaweedと、対立する反政府組織/非アラブ系住民の共通の敵に仕立てあげてしまおうというわけだ。

もしUNが保護する対象から攻撃を受けて死者が出るような事態となったら・・・
イラク戦争に辟易している国際社会はどう反応するだろうか。これを「人道援助」と呼ぶことを許すだろうか。

さらにスーダン政府は空輸を継続的に行ってきたことで、UN/AUをまじえた内戦の長期化に備え、すでにDarfurにおける武器の蓄積がかなり進んでいるとも考えられる。

もしスーダン政府が状況を理解してこうした戦略をとってきたとするならば、Darfur(&Chad)紛争の解決は、想像以上に困難な道となるのかもしれない。

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